もちろん、ガン患者さんやその家族の皆さんにも学んでいただいて、セルフケアとして、取り入れるようお勧めしています。病気によって起こるさまざまな苦痛やトラブルを比較的おだやかで自然な方法で取り除くことは、積極的な消去法といえます。ほぼ99%以上のガン患者さんがガンにおける3大療法、
1.化学療法 2.外科手術 3.放射線治療
のいずれかを受けています。現代医学における科学的な治療を無視して、自分の命を救うことはできません。ガンに対する治療法はいずれも正常細胞にもかなりのダメージを受けることは専門かならずとも周知の事実です。それらにたえうる体力、気力、免疫力、勇気などに関して現代医療では、領域外として放置されたままの状態になっています。
代替療法、自然療法、民間療法はその歴史的な背景も含めて、上述したように、極端なものを除いては、長い時代の流れの中で、比較的安全性の高いものが現在も受け継がれています。
現代医療の中で、代替療法は、欠落した隙間を埋める部分として多くの人々に支持され、アメリカの大学医学部においても代替医療カリキュラムを導入しています。ジョージタウン大学医学部では西洋医学一辺倒の教育を改革し、鍼治療やハーブ、睡眠療法といった代替療法をカリキュラムに加えています。
1998年に全米補助代替療法協会が連邦議会に承認されたことがそもそもの発端で、同協会は代替療法の導入のため、5年間で1500万ドル(約18億3000万円)の予算を組み、ジョージタウン大学を含め10校に導入を決定しました。同大学には政府からも170万ドル(約2億1000万円)の補助があり、5年計画で教育の実行にこぎつける予定です。課題は、臓器移植の拒否反応を防ぐ薬の効果をオトギリソウが減らしてしまうなど、科学的に立証できるものを調査し、取り入れることです。
なお、米国医学部協会によると、全米の医学大学や、医学部125のうち、すでに75校が何らかの形で代替医療をカリキュラムに導入しています。米国においては、麻薬の禁断症状緩和に耳の鍼治療が行われ、保険が適用されているが、必ずしも科学的な根拠が立証されているわけではないのです。しかしながら、多くの麻薬患者が、鍼治療によって依存から立ち直り、現実的な有用性が認められているということです。
わが国においては、代替療法といわれる分野は、現在においても医療の外におかれ、特にガン患者さんの選択からは除外されていました。その点では、帯津良一院長の下、西中医合作をコンセプトに掲げ、東洋医学、心理学、民間療法、自然療法を偏見なくあまねく取り入れた帯津病院は、勇気あるパイオニアであると言い切ることができるでしょう。帯津病院開院当初は漢方薬でさえ、眉唾物と非難されましてや、気功や民間療法などは、まじないの類と医学界のみならず、目に見えない批判や非難にさらされたことでしょう。
現在においても、代替療法などのアプローチに対して、批判的な医師が多いのですが、本人がガンに冒された場合、枕もとのお札から始まり、家族や親戚のすすめや思いも加わり、まったく代替療法的なものに触れずにすごす患者は極めてまれだといえます。つまり、全体としての人間は科学的な根拠だけでは満足できないということです。また権利として、本人にとって助けとなるものは、本人の責任において、選択する自由があってしかるべきです。麻酔の作用機序が完全に解明されていないからといって、麻酔なしで手術を受ける患者さんがいるでしょうか?
実用的に有用性のあるものであれば、試す価値はあるし、その方法がある種の苦痛や困難を緩和するとしたら、取り入れる価値があるのです。ガン患者さんにもガン細胞の増殖以外に腰痛、肩こり、頭痛、吐き気、めまい、不安、恐怖、孤独など数え上げればきりのないほどの苦痛や、困難があります。そういったもののすべては、メスや放射線や薬で取り除くことができません。むしろ現代の治療法には攻撃的なところがあってそれがガン患者さんの苦痛を助長しているといえます。現代医学と代替療法の上手な使いこなしはこれからのガン患者さんに対して、大きな課題となることでしょう。